契約書の英語翻訳は翻訳会社に依頼すべき?メリットと注意点を解説

経済のグローバル化により、現在では日常的に国際取引が行われています。
海外の企業と取引を開始する際には契約書の英語翻訳が必要になります。海外とのやりとりでは期日までの時間に余裕がないことも多く、社内で対応するか翻訳会社に依頼すべきかで迷われる方も多いようです。

今回は、契約書の英語翻訳は翻訳会社に依頼すべきなのか、そのメリットと注意点を解説します。

契約書の英語翻訳は社内で対応できる?

契約書の英語翻訳は社内で対応できる?

契約書の英語翻訳は日常的に発生する業務ではないので、「わざわざ翻訳会社に依頼するより自社内でどうにかならないか?」「A4用紙2ページ程度の文書だから英語が得意な人に3日くらいで翻訳をお願いしよう。」という提案もあるかもしれません。

契約書の英語翻訳に必要な英語能力は一般のビジネスメールや英会話に求められる能力とは異なります。法務翻訳は専門知識と国内外の実務経験を要する水準の高い翻訳分野であり、日本の法律知識に加えて相手国の法体系や法律、ビジネス慣習などにも精通していることが求められます。

一般英語が得意でも、法律を勉強した経験がない人が契約書の英語翻訳を行う場合、数か月にわたるトレーニングを受け、実務経験を積まなければ正確な翻訳は行えません。本業の片手間にできる作業ではないのです。

契約書の英語翻訳を翻訳会社に依頼するメリット6つ

契約書の英語翻訳を翻訳会社に依頼するメリット6つ

社内で契約書の英語翻訳を行うことが難しい、不安がある場合は翻訳会社への依頼を検討してみましょう。以下のようなメリットがあります。

1.翻訳の質が高い

ビジネス文書は相手に確実に伝わる文章でなければなりません。

  • 正確さ
  • 自然な表現
  • 適切な言い回し

以上の3点が最も重要になります。

さらに契約書の英語翻訳には次のようなスキルが求められ、常に最新情報を取り入れて知識を磨いておかなければなりません。

  • 英文契約書特有の構造
  • 相手国のビジネス慣習
  • 相手国の法律
  • 該当文書の業界で使用されている専門用語の知識
  • 法律英語の知識
  • イギリス英語とアメリカ英語の違い

プロの翻訳者ならこれらの要件をすべて満たす翻訳が可能になります。

2. 作業時間が短縮できる

上述のとおり、契約書の英語翻訳には高度な専門知識が必要なため、翻訳作業には多大な時間を要します。
法務翻訳未経験の人が対応する場合は、英文契約書の解読から始め、法律の歴史や世界の法体系(英米法、大陸法など)のしくみまで勉強しなければなりません。チェックして校正できる人材がいなければ校正を外注して、修正のために差し戻しがあり…と膨大な時間がかかってしまいます。スピードが求められる現代のビジネスにおいては現実的ではないといえるでしょう。

翻訳会社に依頼すればプロの翻訳者と校正者が対応するため、最短の作業時間で仕上がります。

3.海外企業との取引がスムーズに進む

契約書の目的はお互いの権利・義務を定め、将来のトラブルを防ぐことです。海外の企業とのビジネスを円滑に進めるためには、お互いが意思の疎通をはかり、理解し合うことが重要です。
契約書の英語翻訳においても、相手方に一度読みで理解してもらえる正確で自然な言い回しで書かれていれば交渉がスムーズに進み、自社の信頼性も高められるでしょう。プロの翻訳者に翻訳を依頼することで国際間コミュニケーションを促進させることができます。

4.社内人材を有効に使える

一般企業にとって翻訳作業は毎日発生する作業ではありませんが、必要なときにすぐにその場で対応してもらうためには派遣会社などから翻訳専門の人材を配置するのも一案です。この場合、相当の人件費がかかります。

費用面だけではなく、翻訳担当者を常時配置することにより、指揮命令者として翻訳者の上長にあたる社員、勤怠管理を担当する社員、雇用手続きなどを担当する社員などほかの社員の業務分担が増えます。

不定期的に発生する契約書の英語翻訳などが発生した場合に、翻訳作業を完全に外注するやり方にすることによって社内の工数を削減し、社員を本来の業務に専念させ、社内人材にしかできない仕事を割り当てることができます。

5.コスト削減

機械翻訳の進化により、海外の取引先とのビジネスメールのやりとり程度なら難なくこなせる人が増えています。

ただし、契約書の英語翻訳を機械翻訳主体で進めるのは難しいでしょう。
現在の機械翻訳では、日本語の慣用表現や言い回しなどのニュアンスを適切に訳すことは難しいとされています。
翻訳作業をする人によるスペルの誤りや、単語の抜け漏れ、訳し忘れなど人為的ミスにより誤訳が起こる場合もあります。内容に間違いがあれば修正作業に時間とコストがかかります。
さらに、契約書は日本語で書かれていても理解に時間を要する文書です。難易度の高い日本語の文書を機械翻訳で英訳し、その結果が正確であるのかを判断するのは難しいでしょう。
契約書はビジネスの信頼関係を証明する文書です。間違いがあるのに気づかずにやりとりを進めてしまうと、取引先からの信頼を失うリスクも発生します。

契約書の英語翻訳を翻訳会社に一任することで、ミスや誤訳のない正確な英語翻訳が実現し、着手から完成までの所要時間も大幅に削減できます。
翻訳の品質向上と所要時間の短縮を両立させることにより、結果的に翻訳作業全体のコストを減らすことになるのです。

6.柔軟なサービス対応

翻訳会社では多様なニーズに合わせて次のように幅広いサービスを提供しています。

  • 文書のレイアウトやフォーマット調整
  • 新規で翻訳の必要な部分のみを抽出して訳文を作成するサービス(同じ内容で一定期間ごとに更新されるような書面の場合)
  • 社内で複数の担当者が作成した文書の整合性を図り、統一した文書を翻訳するサービス
  • 表現や用語の調整依頼に対応
  • 納品された翻訳文に対する質問ができる

これらのサービスを利用することによって、契約書の英語翻訳においても翻訳精度の向上、作業時間短縮とコスト削減が実現できます。

契約書の英語翻訳を翻訳会社に依頼する際の注意点6つ

契約書の英語翻訳を翻訳会社に依頼する際の注意点6つ

取引先との交渉をスムーズに進め、契約後も良好な信頼関係を維持するためにも契約書は大きな役割を果たしています。
契約書のような機密文書の英語翻訳を依頼するには、信頼できる翻訳会社を選ぶことが重要です。
翻訳会社を選ぶ際の注意点を6つご紹介します。

1.契約書翻訳の実績があるか

契約書の英語翻訳についてはほとんどの翻訳会社で対応可能となっています。
ここで注意すべきなのは「実績の内訳」です。

契約書には次のように多くの種類があります。

  • 秘密保持契約
  • 業務委託契約
  • ライセンス契約書
  • 賃貸借契約書
  • 株式譲渡契約書
  • 代理店契約書
  • 共同開発契約
  • 合併契約
  • 技術指導契約書

業界によって使用される契約書の種類が決まってきます。金融機関と工業製品メーカーではビジネス慣習や使われる専門用語なども異なってきます。取引先に該当する業界での実績があるか、自社と同業種の実績があるのかを翻訳会社のウェブサイトの取引先一覧などで確認しておきましょう。不明な場合は直接問い合わせたほうが確実です。

 

2.ネイティブチェック体制があるか

契約書の英語翻訳の場合、ターゲット言語である英語を母国語とするネイティブチェッカーが以下の項目などを確認して英語としての精度を上げていきます。

  • 英語として自然な文章になっているか
  • 相手に内容が正しく伝わる英語になっているか
  • 法律英語の文書として適した文章になっているか

ネイティブチェックは契約後のトラブルを未然に防ぐためには必要不可欠です。ネイティブだけが理解できる微妙なニュアンスの違いにより取引先との交渉がスムーズにいかなくなったり、自社の信頼性を損なう事態に陥ったりする可能性があります。契約書の英語翻訳の場合、ネイティブチェックは必須事項であるといえるでしょう。

プロのネイティブチェッカーなら、相手国の社会情勢や文化、歴史など幅広い事情を含めて繊細にチェックを行うことができます。
ほとんどの翻訳会社ではネイティブチェックを実施しています。料金については翻訳料金に含まれている場合と、オプションとして別料金になる場合があります。事前に確認しておきましょう。

3.翻訳料金が妥当であるか

契約書翻訳を依頼する際には事前に料金設定を確認し、複数社の見積もりを比較してみましょう。

契約書の英語翻訳料金の目安としては、金融・財務分野の日本語1文字あたりの料金の目安は次のように25円とされています。

日本翻訳連盟の公式サイトより引用

文書の種類 英語→日本語 日本語→英語
経営管理・財務・契約書 30円/文字 25円/文字

実際の翻訳料金は翻訳会社により幅広く設定されています。
たとえば、翻訳サービスには次のような料金設定があります。

  • ミニマムチャージ(最低料金)
  • 翻訳を依頼する際の最低料金を示します。金額指定でミニマムチャージが「10,000円」とされている場合は依頼原稿の文字数が少なくても10,000円は請求されるということになります。文字数指定で「400字」などとされている場合もあります。

  • 特急料金
  • 納期までの期日が短い急ぎの依頼の場合は、特急料金として追加料金が発生します。納期までの時間、日数にもよりますが翻訳料金の20%程度が加算されます。

4.納品はスピーディか

ビジネスはスピードが命。海外の取引先とは時差もある関係でタイムリーな対応を迫られることも多いでしょう。納期については以下の項目を確認しておきましょう。

  • 最短で納品までどのくらいかかるのか
  • 緊急の依頼(本日中など)に対応してくれるか
  • 納期決定後に変更可能か
  • 原稿の分量に対する特急料金などが妥当であるか

ほとんどの翻訳会社では「スピーディ・リーズナブル・高品質」を宣伝していますが、納品がスピーディで、かつ高品質を維持できているかは成果物で見極めておくことをおすすめします。無料トライアルを依頼して、事前に品質を確かめておくと安心です。

チェックポイント

5.情報セキュリティ対策は万全か

契約書の英語翻訳を依頼するには万全なセキュリティ対策が講じられている翻訳会社であることが必須条件です。
機密文書を扱う機会の多い翻訳会社のウェブサイトでは情報セキュリティの体制や取り組みについて下記のようにくわしく紹介されていますので確認しておきましょう。

  • 情報セキュリティマネジメント体制
  • データ、ファイルの取扱い方法(保管方法、データファイル転送システムなど)
  • 物理的リスク対策(施設の入退室管理システム、入室許可ICカード、オフィスビルのセキュリティシステムなど)
  • 技術的リスク対策(ファイアウォール導入、ウイルス対策ソフト、脆弱性対応など)
  • 人的リスク対策(社員やフリーランス翻訳者に対するセキュリティ教育など)

6.翻訳会社の対応に問題がないか

取引先との安定した信頼関係と同様に、信頼できる翻訳会社と長くお付き合いするほうが時間とコストの削減にもつながります。
人と人とのお付き合いはコミュニケーションの相性もあります。急ぎの場合はメールよりも電話で話す機会も多くなるので直接問い合わせて次のような対応に問題がないか見極めておきましょう。

  • 専任のコーディネーターがついてくれるか
  • 問い合わせの際に社内の誰が受けても同じように対応してくれるか
  • 臨機応変に要望を受け入れてくれるか

契約書の英語翻訳のご依頼なら翻訳会社FUKUDAIにおまかせください

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契約書の英語翻訳を含む法務翻訳は専門性の高い分野であり、正確性とスピードが求められます。
FUKUDAIの法律・契約書翻訳サービスでは、海外でのビジネス経験・法務実務経験があり、世界各国の法律・規則や文化・慣習の違いにも精通する翻訳者・校正者が多数在籍しております。正確で高品質な法律・契約書翻訳を提供しています。お客様のご要望にも柔軟に対応いたします。どうぞお気軽にお問い合わせください。

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