契約書翻訳の依頼は、セキュリティ対策重視で翻訳会社を選ぼう!

契約書は重要な機密情報を含む文書です。契約書翻訳を依頼する際には、万全なセキュリティ対策が講じられていることが翻訳会社選びの必須条件となります。

今回は契約書翻訳のセキュリティリスクとセキュリティ対策についてくわしく解説します。セキュリティ対策重視で翻訳会社を選ぶ参考にしてくださいね。

FUKUDAIの翻訳サービス

翻訳サービスのセキュリティリスクとは

翻訳サービスのセキュリティリスクとは

ビジネスでのデータのやり取りがデジタル化して便利になる一方で、サイバー攻撃の手口も多様化し、世界中で猛威をふるっています。大企業や公的機関を対象とするウイルスや不正アクセスによる個人情報・顧客情報の流出などの被害があとを絶ちません。

事件として報道されるのは大きな組織ばかりなので「自分のパソコンには大した情報は入っていないから…」と他人事にしがちですが、個人、企業にかかわらず、ネットワークに接続した時点上で脅威にさらされていると認識したほうがいいでしょう。

翻訳サービスでは、翻訳会社および翻訳者などがインターネットを経由して契約書などのお客様の重要な情報を取り扱うことになります。自分の身を守るだけではなくお客様の情報を保護するために、より慎重で確実なセキュリティ対策を講じることが翻訳会社の重要な責務となります。

翻訳会社の経営資源はお客様の重要情報

銀行を信用してお金を預けるように、翻訳会社は企業の命ともいえる機密情報が含まれている機密文書を預かります。

翻訳会社は製品の操作マニュアル、医薬品の特許、商品のウェブサイト、法律文書など幅広く取り扱いますが、「まだ世の中に知られていない」情報を多く取り扱うことになります。そしてこの情報を必要な言語に翻訳して世に送り出すサポートをすることが翻訳会社の責務です。企業の未来がかかっている機密情報を預かる翻訳会社にとっては、機密を保持するためのセキュリティ対策は至上命題なのです。

増大するセキュリティリスク

ビジネスにおいてインターネットは必要不可欠な存在になり、ほとんどの企業や公的機関で導入されています。もはやインターネットなしには日常生活も成り立たないといえるでしょう。
急速なインターネットの普及により利便性が増す一方で、セキュリティリスクも増大しています。
次のようなセキュリティ上の危険があります。

  • 企業情報漏洩・・・不正アクセスにより取引先の情報や営業上の極秘情報などが漏えいする
  • Webサイト改ざん・・・不正アクセスにより企業ウェブサイトに外部からログインされ無断でコンテンツを書き換えられることにより、ウェブサイトが機能停止する場合もある
  • マルウェア感染・・・ウイルス(不正な動作を行う意図で作られた悪意のあるソフトウェア)感染によりプログラムの動作を妨げるなど不具合を起こし、システムが停止してしまう

上記のようなセキュリティトラブルを引き起こすと通常業務への支障があるだけではなく、取引先や顧客へも大きな被害を負わせることになり、築き上げてきた信頼関係を失うことになります。

情報セキュリティポリシーとは

機密保持に関する方針や対策基準について、その企業のセキュリティマネジメントシステムがどのようになっているのかを明文化したものを情報セキュリティポリシーといいます。

公式ウェブサイト上でセキュリティポリシーを公表している翻訳会社もあります。前述のとおり翻訳会社の経営資源はお客様の重要情報であり、お客様の信用の元で大切な情報を取り扱います。具体的にどのような管理体制でセキュリティマネジメントシステムを構築しているのか、トラブル発生時の対応はどうしているのかなどを見ておきましょう。

また、一度方針や対策を決めても、新たな危険の出現や状況の変化により見直しと更新が必要です。継続的に改善を行いセキュリティ対策の向上に努めているかどうかも確認しましょう。

具体的なセキュリティ対策

翻訳サービスのセキュリティ対策

セキュリティリスク別に具体的な対策を4つ紹介します。

1.技術的リスク対策

技術知識がないと気づくのが難しいのがコンピュータへの対策です。対策手段も日々進化しています。
以下のような技術的リスク対策があります。

  • ファイアウォールの導入
    ファイアウォールとは防火壁の意味です。危険が潜む外部と安全な内部の間に障壁として立ちはだかり、危険な通信が内部に侵入しないように見張る役割を果たします。
  • ウェブアプリケーションファイアウォールの導入
    上記ファイアウォールとは別の機能を持ち、ウェブアプリケーションの脆弱性*を狙う攻撃を防御する役割を果たします。

    *脆弱性(ぜいじゃくせい):プログラムの不具合などが原因で生じるソフトウェアやOSのセキュリティにおける弱点のこと。セキュリティホールとも呼ばれている。

  • 各種アプリケーションを常にアップデートしておく
    アップデートを行わずに脆弱性が放置された状態でコンピュータを使い続けると、不正アクセスやウイルス感染のリスクが高くなります。

以上のようなリスク対策を行い、時代の変化に応じてセキュリティ対策を常に向上させている翻訳会社なら信頼できるといえるでしょう。

2.人的リスク対策(社員)

社内で職場環境を共有していれば、日常業務から「なにが危険であるか」は想像できますが、会社全体としてセキュリティの知識レベルを一定に保つ必要があります。
社員に対して行うセキュリティ対策は以下のとおりです。

  • 年1~2回情報セキュリティ研修を義務付ける
    (研修後に確認テストを行い、正答率80%を認定条件とする企業もある)
  • 各システムにアクセス権を設定する
  • 施設建物内での入室可能な部屋をキーカードで制限する
  • 持ち出し可能なUSBメモリなどにデータの保存を禁止する
  • 社内用ノートPC、タブレットの持ち出しを禁止する
  • 情報の取り扱いは管理者の許可が必要とする
  • 社員、契約社員、パート社員、外部作業者すべての関係者と秘密保持契約を締結する

3.人的リスク対策(フリーランス翻訳者)

翻訳会社には外部の個人事業主であるフリーランス翻訳者や校正者が多数所属しており、世界中に点在している場合もあります。会社の「目の届かない所」で作業をしているのが現実です。
多くの翻訳会社では、業務上必要なシステムへのアクセスや、ツールを使用する際に使用するアカウントおよびパスワードの管理を行うことで、制限された領域での作業を外部で行える形態をとっています。
翻訳会社は、外部のフリーランス翻訳者や校正者に対して個人として信用できるかどうかの見極めも行ったうえで、さらに組織として徹底したセキュリティ対策を行う必要があります。

フリーランス翻訳者になるには社会経験や専門分野の経歴を要するため、個人で仕事を請け負う時点で次のような基本的なセキュリティ対策は当然できているものとみなされます。

  • セキュリティソフトウェアは常に最新の状態である
  • 内容量にかかわらずファイル送付の際には必ずパスワードを設定する
  • パスワードは使い回しせず、その都度新しいパスワードにする
  • パスワードをPCモニター近辺にメモで貼り付けることや、デスクトップ上に保存はしない

ITの進化により毎回パスワードを設定するのではなく、より簡単な方法でファイルのやり取りを行っている業種もありますが、多くの翻訳会社は安全性優先でパスワード形式を採用しています。

フリーランス翻訳者には、本業の能力に加えて自己責任でセキュリティ対策を行える社会人であることが求められます。
万が一トラブルが発生した場合は仕事の依頼がなくなる可能性もあります。

4.物理的リスク対策

古典的なリスク、「どろぼう」はデジタル社会にも存在しています。
会社の金庫はもちろんですが、機密情報や個人情報を含む書類のほうが資産価値が高い場合もあるでしょう。

上述の入退室管理のほか、物理的なリスク対策は以下のとおりです。

  • 施錠ルール、カギ本体の管理が適切にされているか
  • 緊急時に責任者が出動する体制がとられているか
  • 建物はオンラインセキュリティシステムで守られているか
  • インターネット上だけでなく建物内の対策が取れているか
  • 印刷した原稿をシュレッダーにかけて処分しているか
  • コピー機やスキャナーの読み取りデータは削除されているか

ほかに自然災害(台風による停電、火災など)の対策としてデータのバックアップができる体制が整っているかも重要です。

無料翻訳ツールのセキュリティリスク

無料翻訳ツールのセキュリティリスク

ソフトウェアのインストールが不要で、オンライン上ですぐ翻訳できる無料翻訳ツール。日常業務で使用している人も多いでしょう。文書の内容が公開しても問題のない情報なら、手っ取り早く訳すために使用することに問題ありません。

ただし、動作的には翻訳元文書を外部サーバーに送信していることになるのです。翻訳作業が終わり、自分のブラウザ上で入力したデータを消去しても、翻訳ツールを提供する会社のサーバーには一定時間保存される可能性があります。サーバー保存には機械翻訳精度向上のために保存されたデータを使用する目的も含まれています。

契約が必要な有料サービスの翻訳ツールでは機密保持が確保されているものもありますが、個人情報を含む文書の翻訳は禁止されている場合もあります。使用する際には慎重に判断したほうがいいでしょう。

たとえば、急ぎで1~2ページの英文契約書の概要だけを早く読み取りたい場合などは、個人や企業名、商品名などをあらかじめ消去した文書を機械翻訳にかけるという手段が想定できます。その際には以下について検討してみましょう。

  • 複雑な英文契約書を見てどこが機密情報にあたるのかを読み込めるか
  • 手作業で完璧に機密保持ができるのか
  • セキュリティリスクの度合
  • 内容を理解する緊急性

問題がないと判断できるなら使用する、不安な場合は使用しないなど状況によって無料翻訳ツールは使い分けが必要になります。

セキュリティ対策重視の契約書翻訳は翻訳会社にご相談ください

セキュリティ対策重視の契約書翻訳は翻訳会社にご相談ください

今回は契約書翻訳を依頼する翻訳会社を選ぶ際に重視すべきセキュリティ対策について紹介しました。
セキュリティ対策は本来の業務を安全に行うための環境を維持する業務であり、直接的に利益が生じるものではありませんが、お客様との信頼関係が第一条件である翻訳会社にとっては重要な任務です。

翻訳会社FUKUDAIの法律・契約書翻訳サービスでは、海外での就業経験を有する専門家が揃っています。法律英語の翻訳に必須である世界各国の法律や文化の違い、ビジネス慣習の違いにも精通しているため、確かな品質で翻訳を提供しております。どうぞお気軽にお問い合わせください。

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